転倒した利用者を見た時、「けが」だけに着目せず、体調変化を考慮する
頭部打撲をした利用者を全例搬送してCTをとるという、滑稽な介護施設の業務基準の話を前回したが、この話のもう一つのこっけいさは、「けが」だけに注目し、その背景の体調変化の可能性を考慮していない点である。
例えば、転んでけがをした患者さんを見た時、もしかすると、体調が悪くて転んだのではないか、と考えることは重要である。
何か動きが悪くなる別の原因があることは珍しくない。例えば、新型コロナウイルスなどを含む感染症、慢性硬膜下血腫による歩行の障害、甲状腺機能低下による活力低下、亜鉛欠乏による食欲不振で衰弱していた、などが、経験される。
ですから、普段転ばない人が転倒したとき、単に頭部画像診断をとるとか、整形外科にかかる、とかだけでなく、「内科にもかかって、血液検査などもしてもらうほうが良いですよ」と私はお勧めすることが、よくある。特に、感染症による体調変化は珍しくないからである。
(和田忠志)
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