NPO地域共生を支える医療・介護・市民全国ネットワーク
第5回全国の集い in 佐倉 2026 東京プレ大会
日時 2026年5月17日(日) 9:00受付~16:00
会場 東京都港区三田3-4-28 聖徳大学三田キャンパス
【呉玉琴様講演解説文】
10:00〜11:30 「台湾113保護専線の最新情報」 呉 玉琴氏
(台湾ソーシャルワーカー協会全国連合会 理事長) について、ご案内します。
台湾において警察は110、消防は119とわが国と緊急通報番号が同じですが、わが国にはない113という通報番号があります。113は全年齢の虐待通報を取り扱う緊急受理番号です。私は、世界で最高の虐待通報システムだと考えています。これを当日は紹介して頂きます。呉玉琴様は台湾の民進党の国会議員経験者で、台湾の福祉関係では知らない人のいない、福祉の大家です。
当日は、游如玉様の逐次通訳で、中国語⇒日本語で、お話をして頂きます。
113保護専線のオフィスは台湾政府の衛生福利部(厚生労働省に該当)内にあり、専属職員により、24時間通報を受理します。113の担当者は衛生福利部から委託された団体が雇用する職員で、通報受理のための訓練を経て配属されます。113は、通話料無料です。113は、中国語のほか、英語、ベトナム語、タイ語、カンボジア語、インドネシア語に対応します。
113受理担当者は、日中は11人、夜間は5人です(2020年)。通報を受理すると、電話逆探知で通報者の場所が特定されます。113受理担当者は、通報受理後、ただちに通報現地の支援者に通報内容を連絡し、対応を依頼するシステム管理になっています。必要に応じ、警察等とも連携します。
113の電話のほか、障害者等による通報にも配慮し、インターネット通報も受け付けています。
2018年における113通報件数86,612の内訳の主要なものとしては、DV16,896、子ども虐待14,018、その他の家庭内暴力9,071、性的虐待1,745、高齢者虐待1,429です。
なお113は市民通報回線であり、教員などは「責任通報」と呼ぶ別の通報システムを利用します。
113とは別に男性被害者のための専用回線も存在します。
【わが国の課題】
わが国では、子ども虐待通報を受理する児童相談所、子ども虐待通報やDV通報を受理する市町村の子ども家庭相談センター、市町村の障害者虐待受理担当部署や基幹型相談支援センター、市町村の高齢者虐待受理担当部署や地域包括支援センターなどにおいて、すべての虐待通報受理担当者は、通報受理専属ではなく支援担当者が兼務しています。このことが、支援者の労力負担を高めて支援を弱くしていることが指摘されています。のみならず、通報受理の専門訓練を経た職員が受理しない点においても、通報受理技能の質的課題が指摘できます。
これらの点において、113保護専線や、米国各州のCPS&APS専用受理回線などは専属の訓練された職員により通報が24時間365日受理される点において、優れたシステムと考えられます。
加えて、わが国では通報受理番号が極度に分断されています。子ども、障害者、DV被害者、高齢者の場合の通報先が別です。子ども虐待に関しては、児童相談所と市町村関係部署の2つの窓口があります。加えて、例えば、松戸市では、高齢者虐待通報窓口として、地域包括支援センターだけで15か所(基幹型を含めると16か所)あり、エリアごとに番号が異なり、市民は適切な通報番号を見つけることが、極めて困難です(事実上不可能)。子ども虐待に対する189(いちはやく)が、ナビダイアルを利用するために通話を断念する通報者が多いことも報道されました。しかも、日本の虐待通報受理番号の多くは時間制限があり、24時間対応ではありません。
一方、113保護専線は国全体で番号が一本化されて分かりやすく、誰でも番号を記憶でき、24時間いつでも電話でき、人間が直接電話を受理するため子どもや高齢者や障害者でもコミュニケーションが容易です。113保護専線は、わが国のシステムと比較して、はるかに通報しやすい市民、国民の立場に立ったシステムである、といえます。逆に言えば、日本の通報システムは、市民、国民の立場に立って作られていません。加えて、台湾113保護専線は5か国語の外国語に対応しており、外国人の立場にも立ったシステムです。日本のシステムがいかに不便かを聴衆の方は知ることができると思います。
皆様のご参加をお待ちしています。


